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新版 食物アレルギーの栄養指導 第2版 食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022準拠

  • ページ数 : 200頁
  • 書籍発行日 : 2024年9月
  • 電子版発売日 : 2024年10月12日
3,960
(税込)
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商品情報

内容

「食物アレルギー診療ガイドライン2021」「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」準拠!
管理栄養士必携の食物アレルギーのバイブルが待望の改訂!

●食物アレルギーについて初めて学ぶ栄養士にもわかりやすく解説した好評書の改訂版.
●「病院栄養士がアレルギー患者に対して適切な指導ができる」「集団給食に関わる栄養士が食物アレルギー対応を安全に実施できる」内容を網羅.
●「知識編」では「食物アレルギー診療ガイドライン2021」などに基づく診療に関する情報,「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」などに基づく栄養食事指導に必要な情報を解説し,「実践編」では職域別の栄養食事指導の実際を紹介.
●臨床や教育現場の声を反映して,新設項目やコラム,資格制度情報などを追加し,よりわかりやすく使いやすい内容にアップデート.

序文

はじめに

食物アレルギーの栄養食事指導と栄養士

1.栄養士諸姉諸兄へ

“食物アレルギー患者および保護者はもとより,食物アレルギーの診療にかかわる全ての人々が,栄養士の皆さんのより積極的な食物アレルギー診療へのかかわりを強く期待しています.そして皆さんにはその責務とそれを遂行する力があると思うのです.”

2012 年にこのような前文の本書の初版が発刊され,当初の予想を大きく超えた部数を売り上げ,2018 年には新版が発行となり,引き続き多くの栄養士の皆さんに愛読されています.現場の栄養士の方々はもちろん,栄養士・管理栄養士など養成課程で教科書として利用いただいているという話も聞きます.栄養士の方々が本書を手に取り,食物アレルギーにおける栄養食事指導を学び,それが浸透していっていることをとても嬉しく思います.

このたび本書は日進月歩の食物アレルギー診療および栄養食事指導にあわせて,第2版の改訂に至りました.どうぞ最新の食物アレルギーの知識を身につけ,患者のために活かしてください.

2.栄養士は食物アレルギー患者らの羅針盤たれ

大抵の医師の食物アレルギー診療における役割は,食物経口負荷試験などで診断することです.ところが患者らは診断を受けたその日の食事から,除去食などの食物アレルギー対応を行わなければなりません.一方で医師は栄養食事指導に関する教育は受けていませんので,保護者らの具体的な疑問や質問には必ずしも答えることができません.迷える患者らは突然食物アレルギーの大海に投げ出されてしまうのです.

こうした患者らの羅針盤になるのが栄養士の皆さんです.皆さんは栄養学の専門家であり,これまで十分な教育を受け,たくさんの経験を積んできています.そしてその能力と技術を患者のために発揮することが期待される職業です.

病院栄養士は外来および入院栄養食事指導料として,16 歳未満の子どもへの食物アレルギーの指導が診療報酬として認められています.また栄養教諭の職務として,食物アレルギーの子どもたちへの個別指導が課せられていることも,その期待の現れです.

3. 高度化する食物アレルギーの栄養食事指導と患者へ寄り添う栄養食事指導

昨今の食物アレルギーの臨床は単に原因食物を除去するだけではなく,必要最小限の除去を行うことが一般的になってきました.このため栄養食事指導では従来のように食物除去によって損なわれる栄養成分の代替に関する指導だけではなくなってきました.食べられる原因食物のたんぱく質量を把握し,その食物が含まれる加工食品のたんぱく質量を参考にしながら,患者が食べられる加工食品量を計算して,食生活の幅を広げる指導助言をすることが期待されるようになってきました.このように栄養指導の内容も格段に複雑かつ高度化してきています.

また患者や保護者が求めることは必ずしも栄養学的なことばかりではありません.患者や保護者らは日々の除去食生活やアナフィラキシーリスクといったストレスに晒され,誰かに心の支えになってもらったり,食生活の苦労や悩みの共有を求めていたりすることも少なくありません.昨今は,子どもたちが思春期から成人期へ移行していく中で,食物アレルギーに関して知識を獲得し,自律しながら自立すること(移行期支援)も求められており,こうした患者らの一面に寄り添い支える栄養士の存在が期待されています.

4.食物アレルギー専門栄養士への飛躍

2015年12月にアレルギー疾患対策基本法が施行されて以来,アレルギー対策の充実が今まで以上に求められるようになっています.アレルギー対応の充実に関しては,もちろん栄養士の役割の充実も含まれており,さまざまな対策が打ち出されていて,すでに食物アレルギーに関する資格制度が始まっています.これからは食物アレルギーに詳しい栄養士だけではなく,食物アレルギー専門の栄養士としての活躍が期待されています.ぜひ本書で食物アレルギーの基礎知識をしっかりと身につけたうえで,指導経験の有無など関係なく,まずは現場に出て患者に接してみてください.わからないことがあったらそのつど本書を開いて確認し,再び指導にいかしていきながら経験を積み,ますます専門性を高めていってください.

患者らの期待に応えられるように.


2024年8月

編者代表 今井 孝成

目次

実践編 職域別の栄養指導の実際

第1章 食物アレルギーの診療

 1 食物アレルギーとは(海老澤元宏)

   1)定義

   2)経緯

   3)病態

   4)臨床型分類

 2 食物アレルギー

  即時型症状(西本 創)

   1)即時型症状とは

   2)発症機序

   3)臨床的特徴

   4)診断

   5)治療

  新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症(新生児・乳児消化管アレルギー)(山田佳之)

   1)消化管アレルギーとは

   2)非IgE依存性消化管アレルギー

   3)新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症

  口腔アレルギー症候群(OAS)/花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)(近藤康人)

   1)口腔アレルギー症候群,花粉-食物アレルギー症候群とは

   2)臨床的特徴

   3)検査・治療

   4)ラテックス-フルーツ症候群

   5)学校における対応

  食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)(真部哲治)

   1)食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは

   2)発症機序

   3)疫学

   4)臨床的特徴

   5)診断

   6)症状対応

   7)学校における対応

  成人に独特な食物アレルギー(福冨友馬)

   1)アニサキスによる疾病

   2)職業性曝露が関与した食物アレルギー

   3)化粧品使用に関係した食物アレルギー

   4)食品添加成分への反応

 3 疫学(今井孝成)

   1)食物アレルギーの有病率

   2)即時型食物アレルギーの実態

 4 食物アレルゲン(伊藤浩明)

   1)アレルゲンの基礎知識

   2)食品中のタンパク質(アレルゲン)量(濃度)の定量とアレルゲン検出

   3)おもな食物アレルゲン

 5 病歴の把握と検査(長尾みづほ)

   1)病歴の把握

   2)検査

 6 食物経口負荷試験の実際(柳田紀之)

   1)食物経口負荷試験の定義

   2)食物経口負荷試験の目的

   3)食物経口負荷試験のリスク評価と適応評価

   4)食物経口負荷試験の方法

   5)食物経口負荷試験を行う体制の整備

 7 症状と評価・対応(伊藤靖典)

   1)食物アレルギーの誘発症状

   2)重症度の評価と対応

   3)アナフィラキシー時の対応

 8 経口免疫療法・食事療法(杉浦至郎)

   1)食べることを目指した食事指導

   2)経口免疫療法

   3)経口免疫療法の流れと患者の状態

   4)ゴールの設定

 9 移行期医療(佐藤さくら)

   1)移行期医療とは

   2)食物アレルギー児への移行期医療

   3)食物アレルギーの移行支援に求められていること

 10 発症リスクと予防(福家辰樹)

   1)食物アレルギーの発症リスクに関する正しい知識をもとう

   2)食物アレルギーの発症リスクとは

   3)食物アレルギーの予防はどこまで検討されているか

 参考文献

第2章 食物アレルギーの栄養指導に必要な知識

 1 おもな原因食物の考え方

  鶏卵(楳村春江)

   1)除去の指導

   2)除去解除を目指した食事指導

  牛乳(楳村春江)

   1)除去の指導

   2)除去解除を目指した食事指導

  小麦(外山(小田)奈穂)

   1)除去の指導

   2)除去解除を目指した食事指導

   知っておくと便利(朴 喜美・奥 裕乃) 鶏卵・牛乳・小麦アレルギーへの対応食品の紹介

  大豆(外山(小田)奈穂)

   1)除去の指導

   2)摂取指導

  魚類・魚卵(四竃美帆)

   1)除去の指導

   2)摂取指導

  甲殻類・軟体類・貝類(古屋かな恵)

   1)除去の指導

   2)摂取指導

  ピーナッツ(上野佳代子)

   1)除去の指導

  種実類・木の実類(上野佳代子)

   1)除去の指導

  果物・野菜(高松伸枝)

   1)除去の指導

  そば(中村祥子)

   1)除去の指導

  肉類・いも類・その他(中村祥子)

   1)肉類

   2)いも類

   3)その他

 2 加工食品とアレルギー表示(高松伸枝)

   1)アレルゲンを含む食品に関する表示

   2)表示の対象

   3)表示の範囲

   4)原材料とアレルギー表示の方法

   5)代替表記と拡大表記

   6)コンタミネーションと注意喚起表示

   7)わかりにくい表示

 3 ライフステージ別の食事の留意点,患者の悩み(坂 牧子)

   1)各ライフステージにおける栄養指導のポイント

   2)患者(保護者)の悩みの内容と対応例

   3)移行期を見据えた患者自身へのアプローチ

 4 食物アレルギー栄養指導の面接技法(松嵜くみ子)

   1)食物アレルギーの特性と生じやすい困難

   2)まずできること

   3)基本的な信頼関係の重要性と支援者の目標

   4)話を「聴く」準備

   5)患児や保護者に起こりやすい問題

   6)困難の軽減を支援するときのステップと基本的な考え方

   7)周囲の人々の協力を得ること

 参考文献

実践編 職域別の栄養指導の実際

第1章 食物アレルギーの栄養食事指導

 1 給食対応と栄養食事指導の原則(林 典子)

   1)食物アレルギー患者に対する栄養士の役割

   2)病院における栄養食事指導

   3)集団給食におけるリスク管理

 2 生活管理指導表(診断書)の考え方(今井孝成)

   1)生活管理指導表の意義

   2)生活管理指導表以外の書類の問題点

   3)生活管理指導表の詳細

第2章 保育所・認定こども園

 1 対応の方針(岡藤郁夫)

   1)対応指針

 2 保育所・認定こども園等の受け入れの実際(岡藤郁夫)

   1)体制づくり

   2)受け入れ決定後の流れ

 3 保育所・認定こども園等の給食管理(梅永美保)

   1)食事提供の特徴

   2)給食対応の実際

   3)給食対応の工夫と注意

   4)調理・配膳体制とインシデント事例

   5)保育活動での注意点

   6)緊急時対応について

第3章 学校・幼稚園

 1 対応の方針(中田智子)

   1)学校における対応指針

   2)対応の原則

 2 学校給食の対応受け入れの実際(髙橋和子)

   1)体制づくり

   2)受け入れ決定後の流れ

 3 学校給食における給食管理

   1)自校式(土谷喜美子)

   2)センター方式(本田真紀)

第4章 医療機関(病院・診療所)

 1 病院(赤沢尚美)

   1)病院の食物アレルギー対応

   2)給食提供の流れ

   3)治療へのかかわり(食物経口負荷試験食の提供)

 2 診療所(クリニック)(野間智子)

   1)栄養食事指導の実践例

   2)離乳食教室の実践例

第5章 行政の栄養指導(乳幼児健診・離乳食指導など)(池内寛子)

   1)保健指導体制の充実と連携

   2)母子保健事業を通した食物アレルギー指導

   3)給食施設等を対象にした食物アレルギー指導

   4)健康危機管理とその支援体制

第6章 災害時における食物アレルギー患者の支援(渡邉 潤)

   1)日本栄養士会栄養支援チーム(JDA-DAT)の活動

   2)食物アレルギー患者への対応状況

   3)患者と家族に求める食物アレルギー患者への栄養・食生活支援

 参考文献・資料QLコード

食物アレルギーに関する栄養士の資格制度(今井孝成)


索引

コラム

 湿疹とじんましん

 除去負荷試験

 アレルギー用ミルク

 Bird-egg症候群,Pork-cat症候群,α-Gal症候群

 アレルゲンコンポーネント

 アナフィラキシーとアナフィラキシーショックとエピペン(R)

 アレルゲンとアレルゲン性

 マトリックス効果

 離乳期以降の食物摂取の考え方

 薬理活性物質による食物不耐症

 除去食療法?

 5大アレルゲン? 8大アレルゲン?

 低アレルゲンメニュー?

 完全除去? 部分除去?

 給食作製の交差接触

 指針Q&A

 小学校でのインシデント事例

 アレルギーポータル

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書籍情報

  • ISBN:9784263701454
  • ページ数:200頁
  • 書籍発行日:2024年9月
  • 電子版発売日:2024年10月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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