主訴別 診断エラー症例44―誤診症例に学ぶ確定診断術

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2017年4月
  • 電子版発売日 : 2018年11月23日
4,950
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 90pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

診断エラーを学んで診断力を身につけよう!

主訴からは想起しにくく,診断エラー(誤診)をしやすい44の症例を通じて,エラーをしない診断の考え方を学ぶものです.診察の場でエラーに至った経緯や,その後の確定診断までの過程をたどり,エラーの原因と正しい診断のための着眼点を明確にします.さらに,症例を踏まえた「誤診しないためのアプローチ」で考え方を整理し,診断力upを図ります.研修医や総合診断力を身につけたい医師に向けた,診断力upのための一冊.

序文

ケースカンファレンスでは,美しい診断推論が展開され,なるほどと感じることばかりですが,実際の現場ではどうでしょう.診断を「これだ!」と思いこみ,その後痛い目に遭うことは少なくないのではないでしょうか.

この本では,実際に診断をエラーした症例を44例掲載しています.特に救急外来でよく遭遇する主訴15を選び,それぞれについて診断エラー症例3例(「喘鳴」のみ2例)を記載しています.そして1例ずつ,どこで問診,診察,検査指針の方向性を間違ってしまったか,その時点での思考過程を示しました.さらになぜエラーに至ったかを解説し,誤診しないためのポイントをまとめました.次に15主訴において誤診しないためのアプローチを問診,診察,検査に分けて述べています.特に,問診に重点をおいて記載しています.検査や画像は確かに早期診断に欠かせませんが,どうしても目立つもの(検査,画像)に我々は引き寄せられてしまいます.例えば,「2週間前からの発熱」であるにもかかわらず,検尿に膿尿があるから「急性腎盂腎炎」,X線写真に影があるから「市中肺炎」と,検査や画像を診断に直結させてはいないでしょうか.2週間の経過なら,亜急性の経過であるわけですから,感染症なら感染性心外膜炎や結核,非感染性疾患であれば,血管炎や悪性腫瘍に伴う発熱などを考えるべきであると思います.もちろん経過だけでなく,発症形式,増悪・寛解因子,性質,関連する症状,重症度にこだわった病歴と,その後に展開される診察,検査,画像に「整合性」があるかどうかを都度都度に振り返っていくことが,診断エラーを回避する近道であると考えています.なぜこの時にわからなかったのかと指摘されることがしばしばありますが,後から見れば簡単に診断できる,「後医は名医」です.現場では,真っ白なキャンバスから診断は始まります.この本では,こだわるべき問診をキーワード化し提示し,診察,検査では,教科書のように網羅的な記載はせず,注目すべきポイントをピックアップして記載しています.これらのアイテムを使い,「整合性」を考えながら,診断という「絵」を描いていただければと思います.

この本が,診療の場でいかに診断エラーを減らすか,日々苦悩している初期研修医や若手医師の皆さんの少しでもお役に立てればと考え,序文としました.

最後に,執筆期間が長期間になるなか,筆者のわがままに辛抱強く対応していただいた文光堂の佐藤真二氏と編集スタッフの皆様にこの場をお借りして深謝いたします.


平成29年3月

塩尻 俊明

目次

01 意識障害

「脱水症」と誤診した症例①

「橋梗塞」と誤診した症例②

「高血糖高浸透圧症候群,細菌感染症」と誤診した症例③

02 けいれん

「てんかん発作」と誤診した症例①

「症候性てんかん」と誤診した症例②

「低ナトリウム血症によるミオクローヌス発作」と誤診した症例③

03 頭痛

「片頭痛」と誤診した症例①

「片頭痛」と誤診した症例②

「片頭痛」と誤診した症例③

04 しびれ

「圧迫性ニューロパチー」と誤診した症例①

「腰椎症」と誤診した症例②

「心因性のしびれ」と誤診した症例③

05 片麻痺

「脳塞栓」と誤診した症例①

「脳梗塞」と誤診した症例②

「脳梗塞」と誤診した症例③

06 咽頭痛

「急性咽後膿瘍」と誤診した症例①

「薬剤によるアナフィラキシーショック」と誤診した症例②

「細菌性咽頭炎」と誤診した症例③

07 腰痛

「腰椎椎間板ヘルニア」と誤診した症例①

「腎囊胞感染」と誤診した症例②

「腎盂腎炎」と誤診した症例③

08 呼吸困難

「貧血による心不全」と誤診した症例①

「レジオネラ肺炎」と誤診した症例②

「市中肺炎を合併したCOPD」と誤診した症例③

09 胸痛

「異型狭心症」と誤診した症例①

「縦隔気腫」と誤診した症例②

「腎盂腎炎」と誤診した症例③

10 喘鳴

「感冒で増悪した喘息」と誤診した症例①

「喀痰による気道閉塞」と誤診した症例②

11 失神

「排尿失神」と誤診した症例①

「排尿失神」と誤診した症例②

「感冒に伴う脱水」と誤診した症例③

12 嘔気・嘔吐

「急性胃炎」と誤診した症例①

「熱疲労」と誤診した症例②

「急性胃炎」と誤診した症例③

13 腹痛

「急性胃腸炎」と誤診した症例①

「急性胃炎」と誤診した症例②

「ウイルス性胃腸炎」と誤診した症例③

14 下痢

「ウイルス性胃腸炎」と誤診した症例①

「過敏性腸症候群」と誤診した症例②

「ノロウイルス感染症」と誤診した症例③

15 発熱

「腎盂腎炎」と誤診した症例①

「腎盂腎炎」と誤診した症例②

「尿管結石による腎盂腎炎」と誤診した症例③


索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:9.4MB以上(インストール時:20.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:37.6MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:24.7MB以上(インストール時:61.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:98.8MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784830610233
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2017年4月
  • 電子版発売日:2018年11月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。