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- 皮膚科サブスペシャリティーシリーズ 1冊でわかる皮膚アレルギー
商品情報
内容
皮膚科医,内科医をおもな対象として,皮膚アレルギーの基礎知識から,診療のポイント,検査のしかた,最新の治療まで,各項目を第一線の専門家が解説している.図表が多く,ガイドラインなどの最新情報を紹介しており,実地診療にすぐ役立つ内容にまとまっている. 皮膚科専門医をめざす若手医師にも,さらなるステップアップをめざすベテラン医師にも,これまで実地診療で感じていた「なぜ?」「どうして?」を解決するヒントが満載で,考える楽しさを与えてくれる1冊となった.
【シリーズの特色】
スペシャリストに匹敵する知識と技法を効率的に把握できるよう,初歩から熟練の域に到達するまでを系統的かつ親身に伝授するシリーズ.指導者がいなくても,専門外来を立ち上げることも可能なように,実践的な診療のコツまでをビジュアルに解説.気になる話題を「ミニレクチャー」「コラム」で取り上げ,どこからでも楽しく読めるような工夫が凝らされている.
■皮膚科サブスペシャリティーシリーズ
・ 1冊でわかる皮膚がん
・ 1冊でわかる皮膚病理
序文
皮膚は生体の最大臓器であるとともに,最外層に位置するため,環境や多彩な外界とのせめぎ合いにより,多様な皮膚疾患が惹起される.角層から付属器,毛髪,爪に至る皮膚全域を「場」として,感染症,腫瘍,アレルギーなどあらゆる病態が発疹として現れるわけである.皮膚科診療ではこの発疹という皮膚からの「声」に傾聴しつつ,ときには内臓の鏡として皮膚に映される他臓器の「訴え」をさぐりながら,診断力を駆使する臨床的スキルを発揮することがきわめて重要である.
日常的に遭遇する皮膚疾患の多くはcommon diseasesであるので,ともすると数年の皮膚科修練で十分な臨床力を習得したと錯覚する時期がある.しかし,さらに高い皮膚科専門診療を実践し,医師としてステップアップするためには,皮膚科領域のあらゆるジャンルに精通することが求められる.皮膚科初期研修を大学で行ったとしても,教室にすべての領域のスペシャリストがいるわけではないので,どうしても経験不足の弱点領域が生じてしまう.スタッフの少ない病院やすでに開業という立場にあればなおさらである.ところが,患者さんにとっては,すべてのサブスペシャリティーに一定以上の知識と技術を有しているのが皮膚科専門医と考えるのは当然であり,皮膚病診療にたずさわるわれわれにはその期待に応える責務がある.
皮膚科サブスペシャリティーシリーズは,このような状況を想定して,標準的な皮膚科診療技法を学んだ皮膚科医が,さらに一歩進んで,洗練された高度の専門医療にも精通するための珠玉のモノグラフである.スペシャリストに匹敵する知識と技法を効率的に把握できるよう,サブスペシャリティーの初歩から熟練の域に到達するまでを系統的かつ親身に伝授することを最大の目的としている.指導者がいなくても,専門外来を立ち上げることも可能なように,仮想外来診察室のセットアップから実践的な診療のコツまでをビジュアルに解説し,「キーワード」「ここで覚えたいポイント」「注意!」など読みやすい構成に工夫を凝らした.また,気になる話題を「ミニレクチャー」「コラム」で取り上げ,楽しく読めるように配慮した.まさに「1冊でわかる」サブスペシャリティー教本である.
サブスペシャリティーに精通することはcommon diseasesに埋没しがちな日常診療の幅を広げ,皮膚病変を診る愉しみを倍増してくれるであろう.本書を通じて,「この病気は私のサブスペシャリティー」「この領域なら誰にも負けない」といえるだけのジャンルを確立し,読者の皮膚科診療をさらに実り多いものに変容してくれることを願っている.
本シリーズに編者のなみなみならぬ熱意と意気込みを感じていただき,一人でも多くの読者諸氏が皮膚科サブスペシャリストの仲間入りをし,楽しい皮膚科診療を実感していただくことができればこれに勝る喜びはない.
京都大学 宮地 良樹
北海道大学 清水 宏
目次
Ⅰ章 皮膚のアレルギーを理解するための基礎知識
1)アレルギー反応の古典的分類は今
2)自然免疫と獲得免疫
3)ケラチノサイト
4)樹状細胞,Langerhans細胞
5)T細胞,NK細胞
6)B細胞と抗体
7)マスト細胞,好塩基球
8)好酸球,好中球
9)単球,マクロファージ
10)血管内皮細胞
11)血小板
12)補体
13)サイトカイン,ケモカイン
14)細胞増殖因子
15)細胞接着分子
16)皮膚の免疫系におけるシグナル伝達
II章 アレルギー診療に必要な検査,治療の実際
1)パッチテスト
2)プリックテスト,スクラッチテスト,皮内テスト
3)光線過敏テスト
4)細胞性免疫試験
5)内服誘発テスト2
6)薬剤添加リンパ球刺激試験
7)光線療法
8)抗ヒスタミン剤
9)ステロイド外用剤の使い方
10)免疫抑制剤の使い方
11)免疫グロブリン大量療法(IVIG)の使い方
〈コラム〉分子標的薬
III章 多彩な皮膚アレルギー疾患を理解する
1)アトピー性皮膚炎
①ガイドラインの解説
②バリア異常は病態とどのように関係するか?
③Th1/Th2パラダイムとTh17, Tregとの関係は?
④食物アレルギーの関与
⑤IgEの役割は?
⑥自然免疫と衛生仮説
⑦外因性アトピー性皮膚炎と内因性アトピー性皮膚炎
⑧治療はどこに効く
2)接触皮膚炎
①ガイドラインの解説
②感作が起こる機序
③アトピー性皮膚炎との違いは?
④樹状細胞の役割は?
⑤ステロイド外用治療はどこに効く
3)蕁麻疹
①ガイドラインの解説と分類
②アナフィラキシー
③マスト細胞の活性化の機序
④自己抗体と蕁麻疹
⑤IgEを調べる意義は?
⑥温熱,寒冷,日光がなぜ蕁麻疹を起こす?
⑦食物アレルギーの関与
⑧コリン性蕁麻疹はなぜ起こる?
⑨蕁麻疹様血管炎
⑩アスピリン不耐症,食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)はなぜ起こる
⑪口腔アレルギー症候群
⑫治療はどこに効く
4)光アレルギー
①光線過敏症はなぜ起こる
②光線過敏型薬疹と光接触皮膚炎
③光線過敏を起こす薬剤,植物,化学物質
④治療はどこに効く
5)薬剤アレルギー
①薬疹のガイドラインの解説
②HLAとなぜ関係するのか?
③SJS/TENの発症機序
④重症化する要因は?
⑤薬剤性過敏症症候群(DIHS)の発症機序
⑥固定薬疹はなぜ生じるのか?
⑦治療はどこに効く
6)感染アレルギー
①ウイルス感染とアレルギー
②細菌感染とアレルギー
〈トピックス〉抗菌ペプチド
〈コラム〉マイコプラズマ感染
③真菌感染とアレルギー
7)金属アレルギー
①病態
②治療
〈コラム〉金属アレルギーと免疫寛容
8)ラテックスアレルギー
9)食物アレルギー『食物アレルギーの診療の手引き2008』を中心に
10)職業アレルギー
11)汗アレルギー
12)虫アレルギー
IV章 アレルギー関与が疑われる皮膚疾患
1)血管炎
2)乾癬
①ガイドラインの解説
②樹状細胞/T細胞の異常により起こるのか?
③ケラチノサイトの異常は?
④サイトカイン,ケモカインの関与は?
⑤感染によりなぜ増悪するのか?
⑥治療はどこに効く
3)扁平苔癬
①ウイルス感染か? 金属アレルギーか?
②乾癬とどこが異なるのか?
③治療はどこに効く
4)移植片対宿主病(GVHD)
5)天疱瘡
①ガイドラインの解説
②どのような自己抗体があるのか?
③自己抗体が水疱を作る機序
④ELISA法による抗体価測定の問題点
⑤治療はどこに効く
6)類天疱瘡
①どのような自己抗体があるのか?
②治療はどこに効く
7)脱毛症
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書籍情報
- ISBN:9784830634567
- ページ数:390頁
- 書籍発行日:2012年2月
- 電子版発売日:2019年3月6日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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