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- モダンフィジシャン 38-8 プチ・アルコール依存に気づく 誰にでもできるアルコール使用障害への対応
商品情報
内容
これまでの専門機関でなければ対応できないような重症患者の治療を中心とする考え方から、多くの軽症患者への早期介入に大きくシフトしています。プライマリ・ケアの現場で、いかに軽症患者を掬い上げるかが重要になってきています。本特集では、これからのアルコール使用障害への対応のエッセンスをわかりやすく解説しました。
非常にわかりやすいと定評のある臨床雑誌
「一般臨床医の方にも、専門的な事柄や最新の知見などをわかりやすく」をモットーに制作している内科系総合雑誌です。
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序文
巻頭言
平成26 年6 月,アルコール健康障害対策基本法が施行され,さまざまなアルコール関連問題に関心が高まっている.しかし,アルコール依存症の治療・支援はこの流れに追いついておらず,他の精神疾患の治療に比べて遅れているといわざるを得ない.この原因はどこにあり,どのように対処すればいいのか.
わが国で109 万人と推定されるアルコール依存症患者のうち,4 万人程度しか治療につながっていないというトリートメントギャップをどのように考えればいいのか.どうして治療が必要な患者に治療が提供できていないのか.
最大の原因は,アルコール依存症に対して誤解と偏見があり,正しい認識がされていないから,そして,依存症が進行・重症化してから専門医療機関で入院治療を行う形が治療の中心になっているからではないだろうか.患者は医療機関を敬遠し,医療機関は患者を敬遠している.がん治療に例えると,末期がん患者だけを専門医療機関で治療しているようなものである.大多数の早期軽症患者を放置してはならない.
この状況を打開するためには,アルコール依存症に対する誤った認識を払拭しなければならない.最重症のアルコール依存症のみをアルコール依存症と認識していないだろうか.米国精神医学会の国際的診断基準であるDSM-5 では,依存と乱用を合わせた「使用障害」を採用した.診断名を「使用障害」とすることで,「依存症」診断よりもさらに軽症群を取り込み,依存症診断にまとわりつく誤解や偏見から解放されることが期待できる.
そもそもアルコール依存症の「中核群」は,現在治療対象とされている「進行群・重症群」ではなく,大多数を占める依存症治療につながっていない「軽症群」のはずである.この未介入・未治療の多数の患者への介入が治療の中心とならなければならない.そして,その治療を行うのは,限られた専門医療機関ではなく,広く提供されるプライマリケアである.さらには,消化器内科をはじめとした身体科医療機関,一般精神科外来である.身体科では身体健康問題として,精神科ではメンタルヘルス問題として,他のありふれた疾患同様「普通に」かかわる視点が重要である.
本特集では,「プチ・アルコール依存に気づく〜誰にでもできるアルコール使用障害への対応〜」のテーマで,第一線の先生方にご執筆いただいた.これまで,初期のアルコール依存症は見落とされ,進行して問題が明らかになると敬遠されてきた.結局,早期軽症例も重症例も治療につながらない状況が続いている.この状況を大きく変えていくことをテーマにこの特集を企画した.
アルコール依存症は決して特別な疾患ではない.誰もがなりうるありふれた疾患である.アルコール依存症が特殊な専門治療を要する疾患から,プライマリ・ケアで対応可能な疾患であるという認識が広がることを期待したい.そして,依存症より軽症例を取り込んだアルコール使用障害に対して,適切に対応できる体制の構築が待たれる.
成瀬暢也
埼玉県立精神医療センター
目次
《アルコール使用障害の基本の基本》
1.これからのアルコール使用障害の治療とプライマリ・ケアの役割
2.アルコール依存症とアルコール使用障害の違いを教えてください
3.アルコール依存症患者の大多数は治療につながっていないって本当ですか?
4.アルコール健康障害対策基本法の施行に伴う動向について教えてください
《専門医による重度のアルコール使用障害患者への治療》
1.入院専門医療機関での治療はどのようなものか教えてください
2.外来専門医療機関での治療はどのようなものか教えてください
3.動機づけ面接は実際どのようなものか教えてください
4.ブリーフインターベンションの早期介入について教えてください
5.ワークブックを使った認知行動療法的アプローチはどのようなものか教えてください
6.アルコール使用障害を抱える人とかかわるコツ
7.依存症専門医から内科医への助言と応援
《非専門医が取り組める! プライマリ・ケアのアルコール診療》
1.プライマリ・ケアにおけるアルコール使用障害への介入はどのようなものか教えてください
2.総合病院におけるアルコール使用障害の治療はどのようなものか教えてください
3.アルコール使用障害の治療のポイント
4.アルコール使用障害患者のために内科医はどのような連携をとったらよいでしょうか?
5.地域保健におけるアルコール使用障害患者への対応:プライマリ・ケアと専門医療機関との連携構築に向けての岡山市の取り組み
6.職場ではアルコール使用障害者へどのように対応したらよいでしょうか?
7.産業保健におけるブリーフインターベンションの効果
8.高齢のアルコール使用障害患者にはどのように対応したらよいでしょうか
《アルコール診療のパースペクティブ》
これからのアルコール使用障害治療の展望について教えてください
私の処方
がん治療に伴う口腔粘膜炎への局所処方
軽症嚥下障害に対する嚥下体操セット
せん妄
診療の秘訣
自己抗体の意義を考える―診断に有用な自己抗体,病態に直接かかわる自己抗体―
筋サルコイドーシスの筋生検
チーム医療による倫理判断
在宅への取り組み
診療のエッセンス
認知症の診断とともに患者さんに伝えたいこと
眠れない認知症のある人へ伝えたいこと
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書籍情報
- ISBN:9784001003808
- ページ数:108頁
- 書籍発行日:2018年8月
- 電子版発売日:2018年12月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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